Column

情報システムコラム

社内のPCを管理する必要性、PC管理台帳の作成方法と運用方法を解説

社内のPCを管理している方が初めてPC管理台帳を作るなら、この記事を参照してください。ここでは、PC管理の必要性とPC管理台帳の作成方法、運用方法を詳しく解説します。ライセンス違反やセキュリティリスクを回避し、IT資産を効果的に管理する方法を理解できるでしょう。ぜひ参考にしてください。

PC管理台帳とは

PC管理台帳の概要

企業や組織が所有するPCや関連機器の情報を一元管理するための文書やデータベースが「PC管理台帳」です。台帳にはPCの基本情報、使用者、棚卸実施日など各PCの詳細とステータスが記載されます。正確な台帳管理により、IT資産の可視化が実現し、効果的な資産運用とセキュリティ管理が可能です。

IT資産管理とは、企業が所有するPCの管理とソフトウェアのライセンス情報を把握し管理することです。PC管理は台帳の作成や管理番号の付与、取り扱いルールを設けて適切に管理することを指します。PC管理は、企業が直面する様々なIT課題を解決する鍵です。IT資産を適切に管理することで、業務の効率化、セキュリティの向上、コスト削減が図れます。

PC管理台帳は、企業のIT資産を効率的かつ安全に運用するために不可欠です。

PC管理台帳の目的

PC管理台帳は、PC管理の目的を果たすための重要なツールです。PCを適切に管理することで、「セキュリティ対策」、「業務効率化とコスト最適化」、「コンプライアンスの遵守」することができます。詳しくはまた次章で解説します。

中小企業におけるPC管理の課題

中小企業では、PC管理に関していくつかの課題があります。一つ目の課題は、情報システム担当者がほぼ一人で社内PCの管理やトラブル対応をしている状況です。数台のパソコンであれば一人で管理やトラブル対応をすることも可能ですが、数十台や数百台になってくると一人では難しくなり管理自体がされていないケースも多々あります。これにより、PC管理が十分に行き届かず、効率的な運用が妨げられることがあります。

もう一つの課題は、「総務部門」などIT専門の部署ではない部門が兼務で社内PC管理を行っているケースが散見される点です。PC管理はIT資産管理の一環であり、専門的な知識や技術が必要です。そのため、総務部門だけで全てをカバーするのは困難な場合があります。これらの課題を解決するためには、専門知識を持ったスタッフの増員や、外部専門業者の利用が有効です。

PC管理をしないことで起こり得るリスク

セキュリティレベルの低下

PC管理を怠ると、「セキュリティレベル」が低下する原因の一つとなります。これは、コンピューターシステムやソフトウェアの更新を行わない、セキュリティ対策を講じない、ユーザーの行動を監視しないなど、必要な管理作業が行われない状態を指します。システムやソフトウェアの脆弱性を放置すると、ハッカーによるハッキングやマルウェア感染の危険性が高まります。

セキュリティ対策を怠った結果としてインシデントが発生すれば、企業の信用失墜や、顧客離れが生じるなど深刻な事態につながる可能性があります。また、士気の低下による内部の従業員離れも避けられません。企業の存続を脅かす重大なリスクを防ぐためには、定期的なPC管理とセキュリティ対策が不可欠です。

無駄なコストと棚卸しの負担

PC管理を適切に行うことで、上記のリスク回避だけではなく、IT資産の効率的な活用と「コスト最適化」が実現します。適切な管理がなされないと、PCの数量を正確に把握できず、過剰に購入してしまい、無駄なコストが発生する原因となります。

また、日頃からPC管理を行う担当者がいない場合、棚卸し作業に追われることになり、通常業務が滞る可能性があります。適切な管理がされていないと、管理台帳上のデータと実際のIT資産の現状に不整合が生じ、必要なIT機器の手配や交換が遅れることにも繋がります。

故障した機器の交換に時間がかかると、作業が停滞する原因にもなります。PC管理の適切な実施は、無駄なコストを削減し、業務の効率化を図るために不可欠です。

ライセンス違反

「ライセンス違反」とは、特定のソフトウェアを提供元が定めた条件や規約の範囲を超えて使用することを指します。例えば、1ライセンスのソフトウェアを複数のPCで使用したり、ライセンス期間が切れたソフトウェアを使用し続けたりすることが該当します。PC管理を怠ると、ライセンス違反のリスクが高まります。

どのPCのどのソフトウェアのライセンスが切れているかわからなくなるため、知らない間に規約を超えて使用する可能性があります。その結果、コンプライアンス違反となり、企業活動に深刻な影響を及ぼしかねません。

ライセンス違反は、企業にとって大きなリスクです。放置すると、甚大なダメージをもたらす可能性があります。ライセンス違反が発覚すれば、損害賠償のリスクを追うばかりか、顧客や取引先の信頼を失い、社会的信用も失墜するおそれがあります。

PC管理台帳の作成方法

PC管理台帳の作成方法として下記2通りが一般的です。

Excelで管理台帳を作成する

「PC管理台帳」は、Excelで作成することが一般的です。Excelは多くの企業で既に導入されているため、新たなコストをかけずに運用できます。また、多くの人がExcelの操作に慣れているため、専門知識がなくても取り組みやすいです。

さらに、Excelはカスタマイズの自由度が高く、自社が管理したい項目を自由に設計することが可能です。しかし、「PC管理台帳」をExcelで管理するにはいくつかのデメリットも存在します。例えば、ヒューマンエラーのリスクがあります。人間が操作するため、入力ミスなどのヒューマンエラーが発生しやすいです。

また、データの整合性を維持するのが難しいことも課題です。データ量が増えると、Excelでのデータ管理が難しくなります。

PC管理ツールを導入する

「PC管理ツール」の代表例は「MDM(Mobile Device Management)」です。「MDM」は、業務用PC、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末を一括管理するためのツールで、広く利用されています。紛失や盗難、不正なアプリのインストールなど、セキュリティ面での課題解決にも有効です。

「MDM」の代表例として「Microsoft Intune」があります。「Microsoft Intune」は、クラウドベースのサービスで、端末とアプリケーションを一括管理するモダンマネジメントを実現できます。

「PC管理ツール」を導入するメリットには、情報システム部門の負担軽減があります。PCの設定や資産情報を自動で収集し、アップデートやセキュリティパッチの適用も自動で行えます。さらに、セキュリティ強化も可能です。セキュリティ上の問題が発生した場合、どの端末にどのようなリスクがあるのかを素早く把握でき、影響を最小限に抑えられます。

ただし、「PC管理ツール」を使いこなすためには、IT資産管理に関する基本的な知識が必要です。ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどの基本的な概念や、それらの運用・管理に関する知識が求められます。

「IT with」では、Microsoft Intune をより効果的に活用するためのサポートが可能です。端末管理などIT関連業務を専門知識とスキルを持ったスタッフがサポートいたします。詳しい内容はこちらから資料をダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

PC管理台帳の主な項目

必須な情報

「PC管理台帳」に最低限必要な情報を以下にまとめます。この項目を入れることで、最低限なPC管理が可能になります。

・PC管理番号
・ステータス
・利用者氏名
・OSバージョン
・セキュリティソフト

上記以外にも他に入れたい項目がありますので、以下に項目例と記載例をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

PCの基本情報の記載

まずは「PCの基本情報」です。メーカー、機種、シリアルナンバーなどを記載します。

項目例定義と記載例
PC管理番号企業がPCを一意に識別するために使用する番号です。
種別PCは主にノートPCとデスクトップPCの2種類に分けられます。
メーカーPCの製造業者のことを指します。
モデル製品の特定のバージョンまたは設計を指します。
型番製品の型式を識別するための番号です。
シリアルナンバー製品を一意に識別するための番号で、メーカーによって割り当てられます。
業務において社外への持出可否企業のポリシーや規程によります。一部の企業では、情報保護の観点から、社外へのPCの持ち出しを制限または禁止しています。

使用状況の記載

次に、「使用状況」を記載します。使用者の名前やPCの設置場所などを記載することで、PCの使用状況を把握することができます。

項目例定義と記載例
ステータス現在のPCの状態を示します。例えば、「使用中」、「修理中」、「在庫」などのステータスがあります。
利用者氏名PCを使用している社員の氏名です。PCが特定の社員に割り当てられている場合、その社員の名前が記載されます。
利用者社員番号PCを使用している社員の社員番号です。これにより、特定の社員がどのPCを使用しているかを追跡することができます。
利用者メールアドレスPCを使用している社員のメールアドレスです。何か問題が発生した場合や連絡が必要な場合に使用します。
利用者社用携帯番号PCを使用している社員の社用携帯電話番号です。緊急時や直接連絡が必要な場合に使用します。
貸与日PCが社員に貸与された日付です。これにより、PCの使用開始時期を把握することができます。
返却日PCが社員から返却された日付です。PCが返却された場合、この日付が記載されます。

OSとセキュリティソフトの記載

次に、「OSとセキュリティソフト」の情報を記載します。これには、OSの種類とバージョン、セキュリティソフトの種類とバージョン、ライセンス情報などが含まれます。

項目例定義と記載例
OSバージョンPCにインストールされているオペレーティングシステム(OS)のバージョンを示します。例えば、「Windows 11」、「macOS Monterey」などがあります。OSのバージョンは、PCの互換性やセキュリティ更新の状況を把握するために重要です。
セキュリティソフトPCにインストールされているアンチウィルスソフトウェアを示します。例えば、「Norton」、「McAfee」、「Avast」などがあります。アンチウィルスソフトウェアは、PCをウィルスやマルウェアから保護するために重要です。

管理責任者情報の記載

最後に、「管理責任者情報」を記載します。具体的には役職名で記載されることが多く、部署異動や退職などを考慮しています。

項目例定義と記載例
管理部門PCの管理を担当している部門を示します。例えば、「IT部門」、「総務部門」や「管理部門」などがあります。管理部門は、問題が発生した場合や連絡が必要な場合に知るべき部門です。
管理責任者氏名PCの管理を担当している社員の氏名です。この社員は、PCの使用状況や問題についての最初の連絡先となります。
管理責任者社員番号PCの管理を担当している社員の社員番号です。これにより、特定の社員がどのPCの管理責任者であるかを追跡することができます。
管理責任者メールアドレスPCの管理を担当している社員のメールアドレスです。何か問題が発生した場合や連絡が必要な場合に使用します。
棚卸実施日PCの棚卸が行われた日付です。これにより、PCの在庫状況を最新の状態に保つことができます。

PC管理台帳の運用方法

PC管理台帳の運用にあたって以下のポイントが重要です。

定期的な棚卸し

「棚卸し」とは、企業が保有する物品や資産(この場合はPC)の数量を実際に数え上げ、記録と一致しているかを確認する作業です。これにより、資産の管理状況を把握し、不足や過剰、紛失などの問題を早期に発見できます。

「棚卸し」の頻度は、企業ごとに異なります。例えば、毎月、毎四半期、半年ごと、年1回など、企業のポリシーや資産の種類に応じて決められます。定期的な棚卸しを行うことで、資産管理の精度が高まり、問題を早期に発見することができます。

定期的な「棚卸し」は、資産管理の基本です。企業の資産が正確に管理されていることを確認するためには、定期的なチェックが不可欠です。資産の状態を把握することで、無駄なコストを削減し、効率的な運用が可能になります。

番号の法則性

「番号の法則性」とは、番号がどのように割り当てられるかのルールを指します。新しいPCが追加されたり既存のPCが更新されたときに、一貫性を保つために重要です。

「PC管理番号の付け方」とは、新しいPCに番号を割り当てる方法のことです。通常、連続した番号(例えば、001、002、003…)や、特定の情報を含む番号(例えば、部門コードや購入年度)など、企業のポリシーによって決まります。

番号の法則性を確立することで、PCの管理がより効率的になります。例えば、部門ごとにコードを付与することで、どのPCがどの部門に属しているかを簡単に把握できます。また、購入年度を含めることで、PCの更新時期を見逃さずに管理できます。

このように、一貫した番号の付け方を採用することは、PC管理の効率化と精度向上に大いに役立ちます。企業のポリシーに従って適切な番号を割り当てることが、効果的な資産管理の鍵となります。

運用ルールの策定

PC管理の目的と必要性を明確にすることが重要です。PC管理のプロセスを視覚化し、各ステップで何が必要かを明確にします。具体的な操作手順を文書化し、誰でも同じ手順でPC管理ができるようにすることが大切です。

「PCの使用」に関するルールも設定します。例えば、PCは業務目的以外では利用しないことや、PCの利用が不要になった場合は速やかにPCの管理者に申し出ること。他のユーザーが使用しているPCを許可なく利用しないこと、許可されたネットワークやリソース以外へのアクセスはしないことなどのルールを設けます。

また、PCの状態や使用状況は常に変わるため、定期的に情報を更新し、最新の状態を反映させます。これにより、効果的なPC管理が実現し、トラブルを未然に防ぐことが可能です。

アウトソーシングの活用

「アウトソーシング」には多くのメリットがあります。まず、業務の一部をアウトソーシングすることで「属人化」を防ぎ、企業のリスク回避に繋げます。また、アウトソーシング事業者に業務を委託することで、自社の人員の負担を軽減し、コア業務に注力させることができます。

アウトソーシング事業者は情シス部門の専門家であり、セキュリティ対策やコンプライアンス対策、クラウドサービスの導入などに関わる最新の技術や知見を持っています。そのため、担当者の負担を軽減し、専門性の高いサービスを提供できます。

アウトソーシングの活用については、以下のリンク先から参加できるウェビナーで、さらに詳しく解説しています。本セミナーに参加いただいた方だけの特別な割引プランをご用意しております。ぜひセミナーにお申込み下さい!

「IT with」では、情報システム業務に関する高い知識とスキルを持つ人材が対応します。パソコンの調達やセキュリティ対策など、社内ITに関して課題がある企業さまは、ぜひ「IT with」の導入をご検討ください。アウトソーシングの活用は、効率的なPC管理と企業の成長を支える鍵です。

PC管理台帳でPC管理業務を効率化しよう

PC管理を怠ると、ライセンス違反やセキュリティリスクなど、さまざまな問題が発生します。そこで、PC管理台帳を活用することで、リスクを回避し、業務を効率化しましょう。

「IT with」では、端末管理代行やアカウント管理代行を提供しています。また、PCの調達、キッティング、買取、ヘルプデスク、PCライフサイクルに関わる業務を一括で代行することが可能です。これにより、情シス業務の効率化が図れます。さらに、「IT with」では無料相談や無料利用可能な「AIチャットボット」を提供しているので、ぜひお試しください。

What is