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情報システムコラム

マルウェア基礎知識: PCウイルスとの違いと感染時の応急処置

「マルウェア」という言葉を耳にする機会は日々増えていますが、その意味やウイルスとの違い、そして感染したときの応急処置について、詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。この記事では、日々変わるデジタル社会で自身を守るために、最低限知っておきたい情報をお届けします。

マルウェアとは

「マルウェア」とは、「malicious software」の略語で、不正かつ有害な動作を意図的に行うために作られた悪意あるソフトウェアの総称です。近年、ランサムウェアやワーム、トロイの木馬、スパイウェアなど、さまざまな形態のマルウェアが注目を集めています。攻撃者によって開発されたマルウェアは、数多くの企業や組織に甚大な被害を与えています。マルウェアに感染すると、個人情報や機密データの流出、デバイスやシステムの停止・破壊などが起こり、企業の信頼失墜や損害賠償の支払いにつながるリスクがあります。
マルウェアの感染能力や攻撃方法は年々進化しており、マルウェア対策は企業にとって避けて通れないセキュリティ上の課題です。

マルウェア、ランサムウェア、パソコンウイルスの違い

「マルウェア」の位置付け

「マルウェア」とは悪意を持ったソフトウェアの総称であり、その中に「ランサムウェア」や「パソコンウイルス」、そして「トロイの木馬」などが含まれます。「ランサムウェア」は、トロイの木馬の攻撃手法の一つであり、人質に取ったデータの解放と引き換えに金銭を要求するものです。一方、「トロイの木馬」はマルウェアの一種で、正規のソフトウェアに見せかけて侵入し、内部からシステムを攻撃します。階層的に考えると、マルウェアが最上位に位置し、その下に様々な形態の悪意あるソフトウェアが位置づけられます。

マルウェアに感染の疑いがある場合の対処例3つ

Step1: 端末をネットワークから隔離

まず最初に、感染疑いのある端末を速やかにネットワークから切り離しましょう。他のコンピューターへの感染拡大を防ぐため、社内LANやインターネットの接続を全て断ちます。これにより、他の端末やサーバーへ感染が広がるのを防ぎます。特に、組織内では一台の端末から大きな被害につながることもありますから、迅速な隔離が必須です。
隔離する際は、無線LANのみならず有線の接続も解除してください。また、組織のルールに従い、専門家や管理者の指示に基づいて行動することが重要です。

Step2: 感染内容や範囲の特定

端末を隔離したら、感染の内容や範囲を明らかにするため、セキュリティソフトでスキャンを行います。どのマルウェアに感染しているか、どのファイルやシステム部分が影響を受けているかを把握します。
マルウェアを検出したら、即座に削除せず、誤検出の可能性を考慮して復元可能な状態に保ちます。その後、PCを再起動し、再度スキャンを行い、マルウェアが検出されないことを確認します。検出されたマルウェアは、セキュリティソフトの提供元に報告し、適切な対処を依頼してください。

Step3: 被害の最小化と原状回復

これまでの対策により、被害の拡大を阻止し、可能な限り被害を最小化できます。その後、マルウェア感染前の安全な状態への回復をはかりましょう。通常、感染端末からマルウェアを完全に除去することは難しいため、一見するとクリーンな状態に戻ったように見えても、細部にマルウェアが残ったままになってしまうケースがよくあります。OSの再インストールを行うのが安全です。バックアップから、データの復旧なども行いましょう。

まとめ:日頃からセキュリティ対策を心がけましょう

これまでの説明で、マルウェア感染のリスクや対処法について知っていただきました。しかし、実際に感染してしまうと、取り返しのつかない被害に遭う可能性があります。そのため、日頃からセキュリティ対策を心がけることが非常に大切です。「IT with」では、セキュリティ対策の代行支援サービスを提供しており、初めての方でも安心してご利用いただける相談を実施しています。ソフトバンク株式会社の子会社であるPSソリューションズが運営する「IT with」は、豊富な実績とノウハウを持ち、皆さまの安全なIT環境作りを全力でサポートします。

※この記事は一般的な情報提供を目的としております。

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