2024.02.15
情シス担当者が知るべき:PCキッティング業務を効率的にする4つの方法
情シス担当者が忙しい原因の一つとして「PCキッティング業務」が挙げられます。の多忙を極める情シス担当者にとって、「PCキッティング業務」の見直しは、業務負荷を軽減するカギとなります。この記事では、「PCキッティング業務」の効率的な進め方をご紹介し、情シス担当者の皆さんが少しでも業務の負担を軽くする方法を解説します。
PCキッティングとは?
PCキッティングとはすぐに業務に使えるようにセットアップすること
「PCキッティング」とは、「PCやタブレットなどのIT機器をユーザーがすぐに業務に使えるようにセットアップする作業」と定義されています(注1)。メーカーから出荷されるPCは「工場出荷状態」で、OSの初期設定や必要なアプリケーションがインストールされていないのが一般的です。これらを利用できる状態にするためには、情シス担当者が各種設定作業を行う必要があります。これらの、PCを用途に合わせてすぐに利用できる状態にセットアップする作業をキッティングと呼びます。
- 1. 引用元:厚生労働省 職業情報提供サイト job tag.「キッティング作業員(PCセットアップ作業員)」)」
<https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/531>(参照日2024年1月29日).
PCキッティングの具体的な作業内容
- OSのインストールと初期設定 – OSのインストール及び初期設定を行います。
- ネットワーク接続のチェック – ネットワークへの接続状況を確認します。
- アプリケーションのインストールとライセンス認証 – 必要なアプリケーションをインストールし、ライセンスを認証します。
- アップデートとパッチの更新 – システムの安全性を確保するために、最新のアップデートやパッチを適用します。
- ドライバとツールの設定 – 各種ドライバやツールを適切に設定します。
- セキュリティツールの設定 – セキュリティツールを設定し、稼働させます。
- ドメイン参加と動作確認 – PCをドメインに参加させ、動作確認を行います。
- 管理シールの貼付と台帳への記帳 – デバイスに管理シールを貼り、台帳に記帳します。
PCキッティングの作業は、手順がしっかり確立されていても、約1時間から4時間の作業時間が必要です。これは意外と大変な作業であり、その理由と必要性について次に詳しく解説します。
PCキッティングの課題と重要性
PCキッティングの課題:手作業による業務負荷が高い
手作業によるミスのリスク – 手作業でのキッティングは、誤った設定や作業の見落としが起こりやすいです。これにより、PCが正しく動かない、セキュリティの問題が発生するなどのリスクがあります。
作業のばらつき – 人によって作業の仕方が違うため、PCの設定に一貫性がなくなることがあります。これは、作業の品質に差が出る原因となります。
コストの増加 – 一人で手作業で複数台のPCをキッティングする場合は、その時間と労力は意外と高いです。また、テレワークを進めている企業の場合、キッティングしたPCを宅配便で送る必要もあります。
PCキッティングの重要性:セキュリティと効率的な作業環境の構築に貢献
セキュリティの強化 – キッティングでは、セキュリティ設定やネットワーク設定を適切に行います。これにより、PCのセキュリティを高め、情報漏れのリスクを減らすことができます。
業務の効率化 – キッティングにより、新しいPCをすぐに使える状態にします。これにより、従業員は設定作業に時間を使わず、すぐに業務に取り掛かることができます。
一貫性のある環境作り – すべてのPCを同じ設定で準備することで、作業環境に一貫性をもたらし、業務の効率を向上させます。
PCキッティングを効率的に進める4つの方法
手作業
手作業でPCを一台ずつ設定するのは時間がかかりますが、作業対象が数台程度のPCであればこの方法が検討可能です。ただし、ミスを防ぐために作業手順書と検証するためのチェックシートを用意することが大切です。
クローニングで自動化
多くのPCを同時に設定する場合は、クローニングという手法で効率化が可能です。クローニングとは、事前にコピー元となるマスターPCを用意して、その内容を複数のPCにコピーする方法で、一度に多くのPCを効率よく設定でき、時間を大幅に節約できます。
ゼロタッチキッティングで自動化
ゼロタッチキッティングは、インターネットを通じてPCの設定を自動化する最新の方法です。PCを起動するだけで、必要な設定が自動で完了し、現地での対応や利用者への引き渡しなどの手間が省けます。従業員がオフィスにいなくても、遠隔地からでもPCを準備し、業務を開始できます。
ゼロタッチキッティングの例として、Microsoftが提供している「Windows Autopilot」を利用する方法があります。インターネットに接続していれば、社員の手元での「ゼロタッチキッティング」を実現できます。ただし、利用には「Microsoft Entra ID(旧Azure AD)」と「Microsoft Intune」の環境導入が必須で、インストールできないアプリケーションもあること、ネットワークが不安定だと展開に失敗する可能性があることなどがデメリットとして挙げられます。
キッティング外注サービスを活用
一番簡単で確実な方法があります。それはキッティング作業を外部の専門業者に任せる方法です。これにより、情シス担当者は手間のかかるキッティング作業から解放され、本来のコア業務に集中することができます。近年、多くの企業がこの種のサービスを利用しています。これは特に、大量のPCを一度にキッティングする必要がある場合や、定期的に一定量のPCを毎月キッティングする必要がある場合に効果的です。
まとめ:中小企業の情シス負荷軽減への道
「PCキッティング業務」業務を見直し、効率化することで、情シス担当者の業務負荷を大幅に軽減することが可能になります。
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